「デジタル化」という言葉がビジネス業界で話題になっていますが、デジタル化とは具体的にどのようなものでしょうか。
本記事では、デジタル化とは何なのか、そのメリットやデメリット、導入の手順をご紹介します。
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デジタル化とは
デジタル化とは、ビジネスの世界で主に2つの意味合いで使われる言葉です。
ひとつは、「アナログをデジタルに変えること」、
もうひとつは、「デジタルの技術、データなどを用いて既存の業務を効率化したり、新しい価値を創り出したりすること」です。
ここから、もう少し詳しくデジタル化について解説していきます。
デジタル化とDX化の違い
DXとは、Digital Transformation(デジタル トランスフォーメーション)の略です。
DXの意味を簡単にまとめると、「デジタル技術を駆使して、ビジネスや日常生活を変革するための取り組み」ということです。
例えば、映像作品を楽しむ際、昔はDVDを借りたり買ったりするのが主流でしたが、現代では「Amazonプライム」や「Hulu」など、様々な映像視聴のサブスクリプションサービスが登場しています。
これは、デジタル技術が進んだことによって、映像作品の「収益モデル」や「映像作品の楽しみ方」などが変革したDXの事例と言えるでしょう。
DXは、顧客体験を新しくしたり、新たな事業価値を生み出したりすることを目的としています。
一方でデジタル化は、主にビジネス業界において業務の効率化や業務改善を目的としているのです。
「2025年の崖」問題
「2025年の崖」問題とは、経済産業省が掲げている社会問題で、日本の企業におけるDXの現状について述べているものです。
経済産業省によると、日本の企業でDXが今より進まなかった場合、2025年以降に、年間最大12兆円の経済損失が発生する可能性があるそうです。
日本企業のDXが現状のままだと、2025年以降の経済に支障をきたす恐れがあることから、「2025年の崖」と言われています。
デジタル化は、DXの第一歩として注目されています。
まずは各企業がデジタル化を進め、将来的にDXも推進していくことが、現代のビジネス業界での課題です。
デジタル化のメリット
現代のビジネス業界ではデジタル化が推進されていますが、デジタル化のメリットは一体何なのでしょうか。
ここでは、デジタル化のメリットを3つご紹介します。
メリット①:業務の効率化
デジタル化は業務の効率化に繋がります。
なぜなら、今までアナログで行っていた業務をデジタル化してしまえば、これまでかけていた手間や時間を省くことができるからです。
アナログをデジタルに変えることで、業務が効率化されれば、空いた時間に新しい事業に挑戦したり残業を削減したりもでき、労働環境を良くすることにもなります。
メリット②:多様な働き方の実現
デジタル化は、多様な新たな働き方を実現します。
これまでは、会議の度に出社し、メンバー全員が集まらなければ物事を進められない、ということが一般的でした。
しかし、デジタル化が進んだ現代においては、Web上で会議ができるツールや、ビジネスマン向けのチャットツールなどの導入が主流になりつつあります。
このデジタル化の推進によって、在宅勤務や勤務場所を選ばないテレワークを実現することが可能になりました。
さらにデジタル化で業務を効率化していけば、会社全体に余裕が生まれ、社員ひとりひとりに合わせた短時間勤務やフレックスタイムの導入などもしやすくなり、多様な働き方の選択肢も広がってきています。
メリット③:情報共有
デジタル化は、社内の情報共有にも効果的です。
例えば、ビジネスチャットツール「Slack」や「Chatwork」などを使えば、社内の全ての人とひとつのツール内で繋がることができます。
さらにいくつものグループを作ることができ、各グループ内でチャットができるのです。
既読の意味をもたせてスタンプを押すこともできたり、設定をすればスマホでもパソコンでも通知をスムーズに受け取ることができます。
また、誰が自分やメンバーのメッセージを読んだかすぐに確認できることで、素早い情報共有が可能になるのです。
他には、今まで紙媒体で保存していたデータをデジタル化することで、過去に蓄積されたデータの中から、いつでも検索をかけ、すぐに欲しい情報にアクセスできるようになります。デジタル化により、情報共有が大幅に進化することになります。
デジタル化のデメリット
デジタル化にはメリットがあることをご紹介しました。
しかし、デジタル化にはデメリットもあります。
ここでは、デジタル化のデメリットを2つ、ご紹介します。
デメリット①:コストが掛かる
デジタル化にはコストがかかります。
なぜなら、デジタル化を進めるにあたってパソコンなどのハードウェア、Officeなどのソフトウェア、インターネットの接続環境、など準備しなければならないものが多いからです。
デジタル化は、長期的に見れば業務を効率化したり、働き方を改善したりできるメリットがあります。
しかし、初期段階では多大なコストがかかってしまうので、導入時にはコストの面を考慮する必要があります。
デメリット②:セキュリティ対策が必要
デジタル化を進めるには、セキュリティ対策が必要になります。
セキュリティ対策をしなかった場合、気づかぬうちにデータを失くしてしまったり、改ざんされてしまったり、個人情報が流出したりする恐れがあるのです。
データや個人情報の管理に不備があれば、顧客からの信用を失いかねません。
具体的なセキュリティ対策としては、「ファイルのアクセス権限を限定する」「ウイルス対策ソフトを導入する」などが考えられます。
デジタル化の導入手順
デジタル化を導入したい、と思っても、実際に導入する手順はよく分かりません。
そこで、ここからはデジタル化の導入手順について解説していきます。
手順①:現状分析
本当にデジタル化を今進めるべきなのか、今最も改善すべき課題は何なのか、など、まずは社内で現状を把握しておく必要があります。
現段階で、無駄な業務はないのか、デジタル化を進めても災害や緊急時に事業を続けることはできそうか、など、今ある業務や課題を見直しましょう。
手順②:ツールの選定
社内の現状分析が完了し、今デジタル化を進める必要があると判断したら、デジタル化するためにどのツールを使うかを選びます。
ツール選定時の着目点は、「操作が簡単で、誰でも使いやすいか」「セキュリティ対策は万全か」などです。
操作があまりにも難しいと、むしろ業務の効率を下げてしまう可能性があります。
また、セキュリティに問題があれば、顧客の信用を失ってしまうかもしれません。
万が一のことを考えて、セキュリティ対策もしっかり行われているか確認しておきましょう。
手順③:セキュリティ対策
デジタル化を進めるにあたって、必ず行っておきたいのがセキュリティ対策です。
クラウド上のシステムを利用する際は、誰でもアクセスできてしまう可能性があるので、パスワードやログイン権限の設定はしっかりと行っておかなければなりません。
セキュリティ対策がされているツールを選んだり、ウイルス対策ソフトを導入したり、といった工夫はもちろんですが、社内でセキュリティに関する研修などを開催し、会社のメンバー全体でセキュリティに対する高い意識をもっておくことも大切です。
手順④:効果測定
デジタル化を実際に導入できたら、その効果がきちんと出ているかについても、確認しておきましょう。
社員に感想を聞き、デジタル化による効果は何なのか、デジタル化をした後の課題は何なのか、これからデジタル化をより良く進めていくには何が必要か、などを把握することで今後のデジタル化をより意味のあるものにできます。
社内だけでなく、実際に顧客の満足度がどう変動したか、会社の実績に変化はあったか、などを振り返っておくことも大切です。
そのデータをもとに新しい課題や目標を設定し、さらに効果のあるデジタル化を進めていきましょう。
まとめ
「2025年の崖」問題からも想像できるように、これからますますデジタル化は推進されていくと予想されます。
業務の効率化は喫緊の課題であり、日本の企業は今後デジタル化の積極的な導入に取り組む必要性があるでしょう。
デジタル化は、初期コストがかかったりセキュリティ対策が必要だったりと、デメリットもありますが、その一方で業務効率の向上や働き方の多様化というメリットもたくさんあります。
本記事を参考に、ぜひこれからデジタル化を進めていってください。
スムーズなデジタル化の導入やおすすめのツールについて、いつでもお気軽にフェニックスマネジメントにご相談ください。