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【社労士監修】うつ病の社員が出た場合の対応は?企業がおさえるべきポイントまとめ
うつ病 社員

社員がうつ病になった場合、どう対処すれば良いのか悩む方は多いのではないでしょうか。
うつ病社員への接し方を間違えれば、社員の病状をさらに悪化させてしまったり、会社側が訴えられたりするリスクもあります。
うつ病を患う人が増加傾向にある今、どの企業にとっても、「うつ病で悩む社員への対応・企業としての対策」は他人事ではありません。
疑問を抱きがちなポイントについて、基本的な情報をまとめます。

 

社員がうつ病になった場合の対応とは

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社員がうつ病になった場合、社員の精神的な負担や肉体的な負担を減らせるよう、注意して接する必要があります。
具体的なポイントは、以下の3つです。

 

  • 相手の状況を理解しないまま、安易に励ますことは避ける
  • 業務量を調整する(多すぎるのも少なすぎるのもNG)
  • 社員からの相談には真摯に対応する

 

うつ病を患っている方に対して、安易に「がんばれ」と声を掛けるのは禁物です。
うつ病にはもともと、「完璧主義で真面目な人がなりやすい」という特徴があります。
「がんばれ」と声を掛けられたことによって、「これ以上何をどうがんばればよいのかわからない」と、さらに追い詰めてしまうことにもなりかねません。
励ますよりも、当該社員が働きやすい環境整備に力を入れましょう。

また、「うつ病が原因で解雇されたら困る」という考えから、会社に対してうつ病である事実を隠そうとするケースも多く見られます。
実際には、うつ病を理由に従業員を解雇するのは非常に難しいのですが、不安を抱き、病気を明かせない社員は、まだまだ多いのが現実です。
休職させるためにも、正しい手順で物事を進めていく必要があるでしょう。
社員の休職や復職について、会社側が独断で行動すると、リスクも大きくなってしまいがちです。
専門医や産業医の意見も取り入れながら、総合的に判断することが大切です。

▼社員がうつ病になった際の対応方法を詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
【社労士監修】うつ病の社員への接し方とは?無理に出社を続ける社員へ会社としての対応もあわせて解説

 

うつ病の社員が休職する場合の給料支払い義務

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うつ病を患った社員が休職することになった場合、会社としては給料の支払い義務についても気になるところです。
仕事と給料の関係性については、法律でも「ノーワーク・ノーペイの原則」が認められています。
私傷病による休職の場合、業務に従事していない社員に対して、原則、会社側が給料の支払い義務を負うことはありません。
ただし、就業規則によって休職中の給料支払いに関するルールが定められている場合、それに沿って給料を支払う必要が生じます。
給料の支払い義務について、社内のルールを確認した上で、当該従業員にわかりやすく説明しましょう。

特に意識して伝えたいのは、以下の点です。

 

  • 給料について
  • ボーナスについて
  • 有給休暇について
  • 傷病手当金について
  • 労災保険について

 

会社のルールに則った対応であっても、休職中に会社から給料をもらえないとなれば、日々の生活に困る社員も多いはずです。
このような場合に、全国健康保険協会(協会けんぽ)や健康保険組合等から給付金を受け取れる仕組みが用意されています。
休職者自身が手続きを行う必要はあるものの、生活の不安を抱えることなく療養するためには、非常に重要な役割を果たす給付金です。
手続き方法や条件についても説明しておけば、心の安定につながるでしょう。

うつ病の社員の休職が決まった際に、「就業規則に明確な規定がなく、どう対応するべきかわからない」と悩む企業は決して少なくありません。
トラブルを避けるためにも、しっかりと対応できる体制作りを進めておくのがおすすめです。

▼うつ病で社員が休職する際の給料支払い義務について詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
【社労士監修】うつ病で休職する社員への給料支払い義務は?企業側がとるべき対応を徹底解説

 

うつ病の社員を辞めさせたい場合、解雇できるか

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うつ病が完治するまでの期間は、人によって異なるもの。
短期間で復帰できる従業員もいれば、不安定な状況が長引いてしまう方もいます。
企業としては、「業務に集中できない状態では困る」「サポートをする社員の負担が大きくなってしまう」という理由から、解雇を検討するケースもあるでしょう。
残念ながら、うつ病を理由に従業員を辞めさせたいと思っても、解雇は簡単ではありません。
従業員から訴えられれば裁判になり、不当解雇と判断される可能性も高くなります。
企業側が従業員を解雇するためには、「客観的に合理的な理由」が必要です。
うつ病は、この「客観的に合理的な理由」には当たらないと考えられています。

過去には、不当解雇で従業員と企業側が争った裁判事例も数多くあり、不当解雇が認められたケースも決して少なくありません。
判例からは、うつ病を患っている従業員に対して、企業側が細心の注意を払って対処しなければならないことがわかります。

うつ病の社員を解雇するためには、就業規則に則った形で、適切に話を進めていくことが大切です。
就業規則に「休職期間満了後も復職できない場合は退職とする」といった定めがある場合、こちらのルールに則って退職となります。 ただし、復職可能かどうかは、企業側が独断で判断できるポイントではありません。
専門医の診断結果も参考にしながら、総合的に判断する必要があるでしょう。

▼うつ病の社員を解雇したいと考えている方は、以下の記事をご覧ください。
【社労士監修】うつ病を理由に社員の解雇できるか?裁判となった判例や、会社がとるべき対応を徹底解説

 

うつ病の社員を出さないための予防策

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社員がうつ病になってしまった場合、対応方法に悩む場面も増えることでしょう。
いざ休職となれば、業務全体への影響も大きくなりがちです。
「解雇するのも簡単ではない」という点を踏まえると、会社でうつ病社員を出さないための取り組みを行うのがおすすめです。
健康的に働ける環境を整備し、社員のメンタルヘルスを守るためには、どのような取り組みを行うべきなのでしょうか。

厚生労働省では、社員のメンタルヘルスケアのため、企業側に4つの対策を推進しています。

 

  • ストレスチェックをはじめ、セルフケアの促進
  • ラインによるケアを可能とする環境整備
  • 事業場内産業保健スタッフ等によるケアの充実
  • 事業場外資源によるケアの活用

 

うつ病にならないためには、まず個人の意識が重要です。
自身のストレスを見逃したまま、無理をし続けてしまうことで、病気を発症する方は多いものです。
特にストレスチェックについては、一部の事業場に対して、法律で義務付けられています。
自分で気付ける環境と、気付いた問題に対して企業全体としてサポートできる体制作りが求められています。

一度にすべての体制を整えるのは、難しいかもしれません。
とはいえ、メンタルヘルスケアを無視することは、これから先の企業にとって、非常に大きなリスクとなります。
専門家の意見も参考にしながら、1つずつ確実に対策を進めていきましょう。

▼うつ病の社員を出さないための企業ができる予防策を詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
【社労士監修】うつ病の社員を出さないために企業がとるべき対策を徹底解説

 

まとめ

社員がうつ病を発症してしまった場合、速やかかつ適切に対処することが求められます。
「どうすれば良いのかわからないから…」という理由で問題を放置すれば、うつ病が悪化しかねません。
企業側には従業員に対する安全配慮義務が課せられており、「うつ病に対して適切なケアが行われていない」となれば、安全配慮義務違反と判断されるでしょう。
万が一裁判になった場合、非常に不利な状況に陥ってしまいます。

うつ病を患う人が増えている今、企業として、さまざまなリスクに対応するための総合的な対策が求められています。

 

  • うつ病を発症させないための仕組みづくり
  • うつ病を発症した場合の企業としての対処法
  • 休職に関する明確なルール

 

就業規則でこれらのポイントを明らかにしておけば、余計なトラブルも避けられるでしょう。
社員がうつ病を患ってしまった場合や、メンタルヘルスの不調が疑われる社員が出たときでも、ルールに則った形で、素早く適切に対処することができます。

「将来的なリスクも見据えて、今の段階でできる対策をしたい」ということであれば、ぜひ人事・労務のプロにご相談ください。
うつ病リスクに負けないための体制作りをサポートいたします。

 

▼うつ病の社員を出さないための対策や、すでに出てしまった場合の対策を詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
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