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【社労士監修】生産性向上とは?企業が行うべき取り組みや、役立てたいツールを徹底解説
生産性向上 取り組み

労働力不足や、働き方改革への対応の有無が話題になる中、多くの企業で行われているのが、生産性向上に向けた取り組みです。
生産性が向上すれば、企業としての価値を高めることにもつながるでしょう。
とはいえ「生産性向上が、具体的に何を意味するのか知らない」「どうすれば良いのかわからない」という方も、まだまだ多いのが現状です。
そこで今回は、生産性向上の意味やメリット、実践できる取り組みについて、わかりやすくまとめます。

 

生産性向上とは?

生産性向上

生産性向上とは、その言葉どおり、企業の生産性を向上させるための取り組みを言います。
生産性とは、以下の数式で求められます。

生産性=【生み出された成果】÷【成果を得るまでに投入した資源】

つまり生産性とは、限られた資源を活用する中で、どれだけの成果を生み出せたのか、具体的な数値でハッキリさせるためのもの。
たとえ成果が大きくなっても、それに伴って投入資源も大きくなっていれば、それは必ずしも「生産性の向上」とは言えないのです。
生産性の向上を理解するため、次の3つの事例をチェックしてみてください。

 

  • 150の製品を生み出すために、10の資源を投入した → 生産性は「150 ÷ 10」で15
  • 300の製品を生み出すために、20の資源を投入した → 生産性は「300 ÷ 20」で15
  • 200の製品を生み出すために、12の資源を投入した → 生産性は「200 ÷ 12」で約16.7

 

①と②を比較すると、②の方が成果は上昇していますが、生産性そのものは変わりありません。
①と③を比較すると、より少ない資源で大きな成果を生み出せていることがわかります。
これこそが生産性向上であり、多くの企業で取り組まれている内容となります。

ちなみに、生産性向上と混同されやすいのが「業務効率化」ですが、こちらは「業務プロセスに潜む無駄を省くための取り組み」を示します。
業務プロセスがブラックボックス化していると、コストや時間に無駄が生じやすくなります。
これらを取り除き、より良い流れで業務を進められるようにするのが、業務効率化です。
生産性向上とは似て非なるものであると、頭に入れておきましょう。

 

生産性を算出する3つの指標と計算方法

生産性 計算式

先ほどもお伝えしたとおり、生産性は【生み出された成果】÷【成果を得るまでに投入した資源】の数式で求められます。
しかし何を成果として捉えるのかによって、生産性の数値が表す意味は、全く異なるものに。
ここでは、生産性を算出するための、3つの指標について解説します。

 

付加価値労働生産性

付加価値とは粗利のことで、生産性を示す際の、もっとも基本的なスタイルがこちらです。
【付加価値額】が成果であり、そのために投入した【労働力】が資源となります。

3万円で仕入れた商品を8万円で販売した場合の粗利は5万円です。
この5万円を、販売に携わったスタッフの人数で割れば、労働人数あたりの付加価値労働生産性を導き出せます。
全体の労働時間で割れば、時間当たりの生産性を把握できるでしょう。

 

物的労働生産性

こちらは「生産された商品数」や「商品量」など、物の数を成果として考えるスタイルです。
上の場合と同様に、労働人数で割れば1人当たりの生産性が、労働時間で割れば1時間当たりの生産性を明らかにできます。

 

全要素生産性

全要素生産性の「全要素」とは、資本や労働など、文字通り、成果を得るために投入された全ての要素を示しています。
一般的には、付加価値労働生産性に資本データを加えて求められます。
全ての要素を数値化して計算するのは難しく、数式は複雑化します。
ただ、単純な「労働力」だけではなく、成果を得るために必要になった資源全てに対する成果の割合を知れるので、経営戦略を練る上で重宝されています。

 

生産性向上で得られるメリット

生産性向上 メリット

生産性向上に向けた取り組みを行う企業が増えているのは、企業にとってさまざまなメリットが生まれるからです。
具体的なメリットは、以下のとおりです。

 

  • コスト削減につながる
  • 働き方改革に無理なく対応できる
  • 労働力が減少しても、これまでと同様の成果を期待できる
  • 国際競争力を高められる

 

少ない資源で大きな成果を得られるようになれば、コスト削減につながります。
またそれ以上に注目されているのが、「人手不足に対応できる」というメリットです。
今後、人口減が予想される日本において、労働力確保は重要課題となるでしょう。
確保できる労働力に限りがある中で、生産性向上は必須と言えます。

また国際化が進む現代において、国際的な競争力の弱さも無視できない課題の一つです。
2019年の日本の時間当たり労働生産性は、OECD加盟37カ国中21位と、決して高くはありません。
生産性の低さは、競争力の低さを表しており、今後どう解決していくかが、国際社会で勝ち抜くための鍵と言えるでしょう。

 

生産性向上のために企業ができる取り組み

生産性向上 取り組み

ここからは、生産性向上のために実践できる、具体的な取り組み方法について紹介していきます。
3つの方法を紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

 

取り組み①:業務内容の「見える化」

生産性向上に向け、具体的な取り組みをスタートする上で、まず重要なのは現状把握です。
業務内容の「見える化」を図っていきましょう。
業務フローと、それぞれのコスト・労働力・成果等をわかりやすく示すことで、「どこに問題が潜んでいるのか?」を把握できるようになります。
問題が明らかになれば、解決手法の検討に移れるでしょう。

 

取り組み②:個人のスキルアップ

生産性向上のために欠かせないのが、従業員一人ひとりの能力です。
作業効率や精度が上昇すれば、それはそのまま生産性向上につながっていくでしょう。
個人のスキルアップを図るためには、社内教育や意識向上が欠かせません。
少し時間はかかりますが、中長期的な視点も忘れずに、将来のための人材育成も始めていきましょう。

 

取り組み③:ITツールの利用

ITテクノロジーが発展している今、生産性向上につながるようなITツールも数多く登場してきています。
「IT分野は不得意だから……」と敬遠するのはおすすめできません。
自社が抱える課題を解決できるツールは、ぜひ積極的に取り入れていきましょう。
知識・技術が足りない状況でITツールの導入を検討するなら、プロにサポートしてもらえる体制を整えるのがおすすめです。

 

生産性向上のために役立てたいツール

生産性向上 ツール

生産性向上のために、積極的に役立てたい各種ITツール。
具体的にどのようなものがあるのでしょうか。
3つのツールを紹介します。

 

ツール①:タスク管理ツール

生産性向上のために、重要なのがタスク管理です。
従業員同士の進捗管理や成果報告など、専用ツールがあれば、よりスムーズな情報共有が可能になります。

1人の従業員が多数の業務をこなす、いわゆるマルチタスクは、生産性を低下させる原因です。
誰にどの程度の負荷がかかっているのかを把握して、課題解決につなげていけます。

 

ツール②:テレワークツール

テレワークで仕事をするスタイルも一般的になっていますが、生産性の低下が問題になるケースも少なくありません。
テレワークを効率よく進められるよう、テレワークツールを導入しましょう。
コミュニケーションツールやワークフローツールなどがあれば、チームとしての生産性向上を目指せます。

 

ツール③:電子契約ツール

これまで、紙で行うスタイルが一般的であった各種契約。
紙をやり取りする契約手法には、コストも時間もかかってきてしまいます。
「現場に赴き、書類にサインをもらう」ための労働力も、決して少なくありません。
電子契約ツールを導入すれば、リモートでの契約業務遂行が可能です。
すでに導入している企業も増えてきているので、ぜひ検討してみてください。

 

まとめ

これから先の社会を生き抜く上で、生産性向上は避けられない課題の一つです。
生産性向上によるメリットも多いですから、ぜひ具体的な取り組みをスタートしましょう。

生産性向上のために欠かせないのが、各種ITツールの導入です。
自社に適したITツールを導入できれば、短期間でも効率的に生産性を向上させられます。

「自社に適したITツールがわからない」「テレワークを推進したい」といったご要望があれば、フェニックスマネジメントへご相談ください。
人事・労務のプロフェッショナルとして、誠心誠意サポートいたします。

 

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